ドイツ東部のシュマルカルデンの町にあるSandvik Coromant社では、ホブの接触式測定の測定値があまりにも良好であったため、機械エンジニアがどこかに誤りがあるはず、と必死に探したという嘘のような話があります。調査の結果、問題が明らかになりました。ハードホブのインサートによって、ルビースタイラスが破損していたのです。最近では、同社の品質検査担当者は、4年経っても摩耗することのない、ソリッドダイヤモンドスタイラスを使用しています。
工具メーカーのSandvik Coromant社は、ソリッドダイヤモンドスタイラスで測定を行います
課題:完璧な測定結果
Sandvik社の技術部門の機械エンジニアであるMario Peter氏は、CoroMill 177ホブの測定のたびに、ますます疑いを深めていました。「何かがおかしかったのです」と、彼は振り返ります。本当の理由を発見するまでには時間がかかりました。なぜなら、当時は歯車をフライス加工するための工具がまだ開発中だったからです。さらに、CoroMillホブはカスタムユニットであり、インサートの測定値は専用工具ごとに異なります。しかし、誤差があると分かっている部品の測定結果でさえも良好だったため、機械技術者はその原因を探さなければなりませんでした。さまざまなテストを行った結果、切削工具用のハードプレートが、ルビー製のスタイラスチップに溝を作っていることが明らかになりました。これらは肉眼では見えませんが、それでも測定精度に影響したのです。
ソリューション:ダイヤモンドスタイラス
Mario Peter氏は、誤った測定を過去のものにしたZEISS工業測定機からヒントを得ました。ZEISSの専門家から、ダイヤモンドスタイラスを試すことを提案されたのです。1,000ユーロという価格に、当初Peter氏はためらっていました。スタイラスは、投資額に見合うだけの長期間使用できなければなりません。ルビー製スタイラスは毎月交換が必要ですが、価格はたった39ユーロでした。「スタイラスを切り替えることは十分に効果的です」とPeter氏は言います。ZEISS MMZ-Tで使用されているソリッドダイヤモンドスタイラスは4年前のもので、ルビースタイラスと同じ歪みにさらされていても、目に見える摩耗の兆候は見られません。
「また、将来的にはダイヤモンドでコーティングされたスタイラスを使用することを決めています」"
Mario Peter, Mechanical Engineer in the Technology Department
利点:優れた品質
厳しい品質要件のおかげで、顧客はSandvik Coromant社のホブを用い、DIN 8/DIN 9で規定されるギア品質を達成しています。同社の顧客は品質クラスBを要求しています。これは、ホブによって異なりますが、車のギアボックスのギアでは2マイクロメートル、大型風力タービンのギアでは10マイクロメートル以上の公差を意味します。ただし、多くの測定値はクラスBの要件だけでなく、クラスAまたはAAの要件も満たしています。「これは、ダイヤモンドスタイラスを使用して得られた結果です」とPeter氏は言います。
Sandvik Coromant社は、金属加工業界における工具、工具ソリューション、ノウハウを持つ、世界有数のサプライヤーです。研究開発への大規模な投資により、このスウェーデン発の企業は独自の革新を生み出し、自動車、航空宇宙、エネルギー産業の顧客とともに新しい生産性基準を設定しています。Sandvik Coromant社の従業員数は8,000人で、130か国で事業を展開しています。Sandvik Machining Solutions部門の一部であるSandvik Coromant社は、Sandvik Groupに属しています。テューリンゲン州のシュマルカルデンにある拠点は、旧東ドイツのツールコンビナートであったところで、現在250人の従業員がいます。