金属とプラスチックから成る複雑なハイブリッド部品を製造しているメーカーにとって、この2種類の材料を加工する技術に精通することだけでなく、数百万ユーロの生産システムを素早く立ち上げることも重要です。打ち抜きおよびハイブリッド部品のメーカーであるドイツのKRAMSKI社は、ZEISSのマルチセンサ測定機を導入しています。
マルチセンサ測定機はKRAMSKI社の初期サンプル検査を加速します
課題:プロトタイプから大量生産への迅速な移行
KRAMSKI社では大量生産を開始する前にツールを十分に調整するため、100以上の初期サンプルを測定することはめずらしいことではありません。各部品に対して、目標は500以上の測定課題の品質を確保することです。そして、最初のサンプルが完成したら、測定技術者に対するストップウォッチが時を刻みだします。測定技術チームリーダーのMatias Schlegelは、「信頼性の高い測定結果を迅速にフィードバックしなければなりません」と言います。つまり、「時は金なり」です。測定結果を得られるのが早ければ早いほど、ツール製造メーカーは修正の必要性あるいは修正箇所をより早く認識します。そして、数百万ユーロの生産システムをより早く立ち上げることができます。
ソリューション:マルチセンサ測定機O-INSPECT 442
このような測定時間の短縮化を実現するために、Schlegel氏と彼のチームは2機のZEISS O-INSPECT 442マルチセンサ測定機に白羽の矢を立てました。この測定機は1機で接触式測定と光学式測定を素早く行うことができます。「また、測定プログラムをオフラインで作成できるので、時間を大幅に削減することができました。これまで使用していた測定機では不可能なことです」、とこのチームリーダーは説明します。
"「当社の創設者が自信たっぷりに「品質以外のことならすべて、交渉の余地があります」と言うのは理由がないわけではありません」"
測定技術者チームスーパーバイザー、Matthias Schlegel氏
メリット: 貴重な時間の節約
オフラインプログラミングは複数の理由から有益な方法です。まず最初の利点として、プログラミングの最中に測定機を占有しないので、測定機を別の測定で使用できる点が挙げられます。ZEISS CALYPSO測定ソフトウェアを使用しているので、CADモデルを使用して測定プログラムを作成可能です。これは実際にワークが完成する前に、測定プログラムが生成されることを意味します。もう1つの利点としては、測定技術者が数百の測定課題のあるプロトタイプの測定プログラムをベースにして、測定課題を100から150に絞った抜き取り検査用の測定プログラムを比較的容易に作成できることが挙げられます。測定技術者が必要な測定課題を単に選択するだけで、ソフトウェアは自動で測定経路を計算してくれるので、KRAMSKI社にかかる余計な時間を削減することができるのです。「私たちがこれまでに見てきたどの測定機もこれを実現することはできませんでした」とSchlegel氏は断言します。