マルチスライスCT
マルチスライスCT
マルチスライスCTは、X線CTの一種で、複数のX線源と検出器を組み合わせることで、一度の撮影で複数の断面画像を同時に取得する技術です。従来のX線CTに比べて、撮影時間を大幅に短縮し、被検体のわずかな動きによる画像の歪みも軽減できます。
マルチスライスCTの仕組み
マルチスライスCT装置には、ガントリと呼ばれる回転装置に多数のX線源と検出器が円形に配置されています。これらのX線源と検出器は、被検体を中心にして回転し、ヘリカルスキャンと呼ばれる方式で螺旋状に撮影を行います。収集されたデータはコンピュータで処理され、高精度な断面画像に再構成されます。
マルチスライスCTのメリット
- 撮影時間の短縮
従来の方法に比べて、より多くの情報を短時間で得られます。 - 画像の歪みが少ない
被検体の微小な動きによる影響を最小限に抑えることができます。 - 広範囲の撮影が可能
一度に広い範囲をカバーできるため、検査の効率が向上します - 高画質な画像
詳細な内部構造を明確に描き出すことができます。
マルチスライスCTのデメリット
- コスト
複数の検出器を使用するため、システムが高価になりがちです。
- ノイズ
複数の画像を同時に取得する過程で、場合によっては画像のノイズが増える可能性があります。ただし、最新の技術ではノイズ低減のための工夫が施されています。
まとめ
マルチスライスCTは、従来のX線CTに比べて、撮影時間が短く、画像の歪みが少ない、高画質な画像を得られるという利点があります。さまざまな分野で活用され、より正確な診断に貢献しています。