フラットパネルディテクタ(FPD)

フラットパネルディテクタとは

フラットパネルディテクタ(FPD)は、産業用X線CT(コンピュータ断層撮影)装置にとって不可欠なコンポーネントです。
X線をデジタル信号に変換して、製品の内部構造を詳細に分析し、品質保証を効率的に行うために重要です。

フラットパネルディテクタの技術と種類

フラットパネルディテクタは、主に間接変換式と直接変換式の2つのタイプに分けられます。間接変換式FPDでは、シンチレータと呼ばれる蛍光体を用いてX線を可視光に変換し、この光をフォトダイオードが電気信号に変換します。この方式は比較的低コストで製造が可能であり、広範囲の産業用途に適していますが、光の散乱によって画像の解像度が低下する可能性があります。シンチレータには硫酸ガドリニウムやヨウ化セシウムなどが使用されることが多いです。

一方で、直接変換式FPDでは、アモルファスセレン(a-Se)やテルル化カドミウム(CdTe)などの半導体材料を使用し、X線を直接電気信号に変換します。この方式は高い空間分解能を提供し、より鮮明な画像が得られるため、精密検査が必要な産業分野で好まれます。ただし、製造コストが高くなるというデメリットもあります。

フラットパネルディテクタの利点

フラットパネルディテクタの採用は、デジタル信号の直接取得により、リアルタイムでの画像処理と分析が可能となり、製造ラインでの即時の品質検査や、製品開発段階での詳細な検証が行えます。また、高いダイナミックレンジを持つため、異なる密度を持つ材料の検査が同時に可能となり、複雑な部品やアセンブリの評価に適しています。

応用分野と今後の展望

フラットパネルディテクタは、自動車産業、航空宇宙産業、エレクトロニクス製造など、多岐にわたる産業分野での応用が進んでいます。これにより、複雑な内部構造を持つ部品の非破壊検査や、微細な欠陥の早期発見に役立てられています。今後は、さらに高速で高解像度の画像を生成できるディテクタの開発が進み、産業用途における品質保証の精度と効率が向上することが期待されています。

このように、フラットパネルディテクタの技術進歩は産業界全体の品質向上と効率化に大きく貢献し、今後も技術革新によって産業用X線CT技術の重要性が増すことでしょう。
 

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