視覚について理解する

メガネの代わりに手術?

メガネなしで視力を回復 -これがレーシックのうたい文句です。けれども気をつけてください:この方法にはリスクがないわけではありません

2019年 3月 12日
  • メガネの代わりに手術?

視力障害を持つ多くの人たちは、レーシックにはリスクが全くないという広告を見て胸を躍らせます。低視力のため視力補助器具なしでは周囲を見ることのできない人にとって、これは本当に魅力的です。しかし、レーシックを考えている人が忘れてはならないことがあります - この手術は健康な組織に対して行われるものです。リスクは必ずあり、永久的なダメージを受けることもありうるのです。

とても簡単そうに聞こえます。レーザー治療はたったの30秒で終わり、しかも痛みはなく、患者はその日のうちにはっきりとした視力を回復するといわれています。今まで20年間、医者たちはレーザービームの爆発的なパルスを使って、角膜内に視覚を補助する光学屈折力を刻み込んできました。もし全てが上手くいけば、患者はもうメガネを必要としません。でもそれは理想の世界でのことです - レーザー手術にはリスクがないわけではありません。

レーシックを考えている人が注意すべき基本的な事柄があります:

  • 21歳以下の人は、目の成長が完全に終っていないためレーシックを受けられません。
  • 最近、屈折異常が20%以上変化した人はレーシックを受られません。
  • 涙液層が不十分で角膜の表面上に涙液異常のある人はレ-シックを受られません。
  • ウィルス性角膜炎などの目の病気のある人もレーシックを受られません。
  • 白内障の人も受けられません。まずそれを治療をする従来の手術が必です。曇った水晶体を人工レンズと交換しなければなりません。決定的な利点:手術後、遠視や近視用メガネは必要なくなります。
  • 9ヶ月の妊娠期間は屈折異常の状態が不安定なので、レーシックを受けられません。
  • リューマチなどの全身疾患のある人、怪我の治療中の人、代謝性疾患、単眼症の人はレ-シックを受けてはいけません。
  • 激しい屈折異常の人(-6.00ジオプター以下または+4.00ジオプター以上)はレ-シックを受けるべきではありません。

レーザー手術によって起きる可能性のある合併症

眼科レーザークリニックでの大げさな話を聞くと、レーザーを使った目の治療が数々の合併症を引き起こす可能性があることなど考えてもみないでしょう。実は、この治療の結果、まぶしさに対する耐性と薄明視が低下することがあります。光る物体がまぶしすぎるように感じられ、まるで花火のように光源から放射しているように見えます。

他の可能性は、特に夜間光源のまわりに光の輪ができるヘイズ効果です。あるいは、はっきり見えている物のすぐとなりに影のような像が見える「幽霊」効果もあります。多くの場合、目が受けたダメージは元には戻りません。

レーシックを受けた人のおよそ40%は、一時的または永久的にドライアイになります。注意すべきことがもうひとつあります。近視の度合いが強けれが強いほど、角膜の多くの部分をレーザーによって蒸発させなければなりません。角膜を大幅に薄くするこの治療法が、長期的にどんな結果をもたらすのかは今のところ分かっていません。

メガネのない生活?

疑問はありません:レーザー治療は過去20年間にかなり進歩しました。けれども、メガネの要らない生活という希望は完全にかなうわけではありません。屈折率手術ではゼロジオプターの視力を正確に矯正することはできませんが、メガネなら可能です。

もうひとつメガネやコンタクトレンズにしかできないことは、状況の変化に応じた調節です。忘れてはならないのは、老眼鏡が必要になる可能性があるのは40歳から45歳くらいからだということです。レーシックを受けた人でも、老眼になったら読書用のメガネが必要になります。

さらに、屈折異常は一定した状態ではありません。状態は変化し、数年間に3%の人に変化が起こります。特に重度の屈折異常の人は、レーシックを受けてから3年後に以前に比べ状態が悪化する高いリスクがあります。さらに、ホルモン異常と結合組織病によって再び近視になることもあります。

レーザー手術はどのように行われますか?

現在では多くの手術法があります。レーシックはよく知られた方法で、最も普及しています。手術自体は3段階で行われます。

  1. 切断
    薄い膜(フラップ、厚さ約0.14mm)を角膜上層のおよそ90%から自動マイクロプレーンを使って切り取ります。
  2. レーザー
    フラップを本のカバーのように折り曲げます。レーザー照射して、近視の場合は光学域を、遠視の場合は外側の端を蒸発させます。
  3. 保護
    最後に、フラップを元の位置に絆蒼膏のようにかぶせます。フラップは元の位置にくっつきますが、再び成長することはありません。

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