材料科学の研究者がZEISSのGeminiSEMをどのように使用しているか

電子顕微鏡の研究イノベーター

APAC地域の材料科学の世界を変えた最先端の優れた技術の電子顕微鏡であるZEISS GeminiSEMが30周年を迎えました。

Geminiカラムの技術の比類のない精度により新たな可能性を解き明かし、障壁を取り払ってきた一流の材料科学者の想像をかき立てる旅をご覧ください。

ZEISS GeminiSEMのコミュニティの一員となり、この分野の一流の人から学ぶための、このまたとない機会を逃さないでください。ZEISS GeminiSEMでご自身の研究を開始し、材料科学の将来を再定義してください!

  • この地域の研究者からの体験や見識をご紹介
  • 中国、日本、韓国、台湾およびインドの研究者からのインタビュー

ZEISS GeminiSEMの低加速電圧のイメージング技術とその技術が研究にどのように役立つか

超低加速電圧で試料の真の表面イメージングを達成

メソポーラスシリカ、SiC繊維およびCNT等の非導電性の試料が、どのようにして高倍率の画像で高分解能を実現するかをご覧ください。試料は表面コーティングまたはステージバイアスなしで、0.5 kVから1 kVで撮像されました。

アジア太平洋地域の他の研究者が、どのようにZEISS GeminiSEMを使用しているか

ZEISSの電界放出型走査電子顕微鏡が、ユーザーや組織にもたらす恩恵を、中国、日本、韓国、インドおよび台湾からの異なる経歴を持つイノベーターが紹介します。

Dr. Mario Hentschel​
CHINA Dr. Gong Ming Deputy Director, Lab of Mechanical & Materials Science, University of Science & Technology, China

Ming博士は、国家自然科学基金、国家傑出青年科学基金プロジェクト、国家重点研究開発計画の50以上の重大プロジェクトの役目を果たすために、ZEISS GeminiSEMを使用しています。

SOUTH KOREA Dr. Keyongsu Jeon Senior Researcher Daegu Technopark, Technical Infrastructure Support Division Nanotechnology Processing Center, Korea

Jeon博士は、現在、多様なお客様(産業界および学界)からの依頼で、ナノマテリアル/コンポーネント、セラミック、金属、高分子化合物、バイオまたは半導体等の様々な種類のサンプルを研究しています。

SOUTH KOREA Dr. Jae Kim Senior Researcher Ulsan Technopark, Fine Chemical & Material Technology Support Division, Korea

Kim博士は、現在、走査電子顕微鏡を使用して材料の特性を研究しています。博士は、特に3Dプリンティング関連の高分子材料、金属粉末および複合材料のイメージングに重点的に取り組んでいます。

TAIWAN Dr. Liuwen Chang Professor, Department of Materials and Optoelectronic Science, National Sun Yat-sen University, Taiwan

Chang博士は、非破壊でエピ層の微細構造の情報を提供するために、EBSD、ECP、ECCI等のSEMベースの技術を使用して、金属と化合物半導体のエレクトロエピタキシーを研究しています。

JAPAN Dr. Kaoru Sato Research Fellow at JFE-TEC, Japan

佐藤博士は2000年以来ZEISS GeminiSEMのユーザーです。触媒、電池、磁石、新合金などの様々な先端材料の研究にGeminiSEMを活用しています。博士の「スイートスポットイメージング」による条件最適化は、研究者達が新しい視点で走査電子顕微鏡を使うヒントを与えています。

INDIA Dr. Savitha Purakkat Chief Operating Officer at NNFC, Centre of Nano Science and Engineering, IISc, Bangalore

Purakkat博士は、ZEISS GeminiSEMカラムを使用して、正確なコントラストと収差補正により50 nm以下の誘電性のフィルムを撮像しています。特に、博士は低加速電圧イメージングの際にカラムを使用しており、より鮮明ではっきりした画像を取得し、パターンのあるサンプルをより効果的に観察しています。

INDIA Dr. Ruma Ghosh Assistant Professor, E&ECE Department, IIT Dharwad

Ruma博士は、ナノマテリアル、薄膜、金属/セラミック複合体および微生物細胞の形態、表面組成、次元解析の研究をしています。

INDIA Dr. Satyam Suwas Professor & Chair, Department of Materials Engineering, IISC, Bangalore

Suawas博士は、現在、変形やアニール処理された金属および合金を研究しています。

  • 「一花一世界、一葉一菩提」
    サンプルは、ニッケルフォーム基材上で成長したナノワイヤ構造のCo3O4で、ナノワイヤの一部が集まってナノシート花弁状構造を形成しています。

  • 梯田叠叠绕云开,白水一泓天上来

    サンプルはニッケルフォームで、Inlens検出器により、表面上のグルコースの炭化により形成された小さい黒い点が明確に観察できます。

  • FezMnyCozCryNiyGdx合金のバウシンガー効果の研究。赤色の矢印で示された領域はHCP相が完全に元の状態に戻っていることを、黄色の矢印で示された領域はHCP相が完全に元の状態に戻っていないことを、白色の矢印で示された領域は新たなHCP相を示しています。

Dr. Gong Ming

Deputy director, Lab of mechanical & materials science, University of science & technology, China

ZEISS GeminiSEMは、作業や研究でどのように役立っていますか?
ZEISS GeminiSEM 500を使用して6年以上になります。
材料科学研究用の重要なツールとして、当センターで最も頻繁に使用されている大型装置の一つで、学内外の教師や生徒が使用するため、毎年2000時間以上稼働しています。ZEISS GeminiSEM 500は、アカデミー会員の研究グループを含む大学の多くの研究グループに対して、多くの不可欠な技術サポートを提供しています。例えば、2022年には、国家自然科学基金、国家傑出青年科学基金プロジェクト、国家重点研究開発計画および中国科学技術部の重点研究開発計画の50以上の重大プロジェクトの役目を果たし、200件以上のSCI科学研究論文および60件以上のEIとCSCDの論文をサポートしました。さらに、大型科学機器装置の国家共有サービス要件によると、周辺地域の大学、研究施設およびハイテク企業には高解像度SEM検査に必要なものも提供されています。

一方、私たちは、大学院生に対して、国際的な基準に沿って科学研究の課題を解決することを目的とした、実践的な能力と大型装置を独立して操作する能力を培うための電子顕微鏡実験の研修コースを国内で最初に提供しました。コースを修了した学生は、対応する単位を取ることができ、コンピューター操作認定証も授与されます。中国科学院の研究施設に入って、この認定証があれば、その後の科学研究業務で走査電子顕微鏡の操作を独立して行う資格があります。このため、我々のコースはとても人気があります!大学院生の中には、我々の電子顕微鏡の結果を用いて、全国イノベーション・起業家大会並びに顕微鏡写真大会などに参加し、良い結果を出した者もいます。

ZEISSの電子顕微鏡について一番好きなところは何ですか?
ZEISSのGeminiSEMの設計は画期的な電子顕微鏡技術だと思います。従来のSEMでは、画像をスキャンするために、電子ビームをカラムの中で数回収束させ、その後サンプルの表面に焦点を合わせる必要があります。ZEISS Geminiカラムの平行電子ビーム技術は、従来の認識を覆すもので、ビームフローを維持しながら優れた分解能を提供することに成功しました。GeminiSEMが発売されてから、顧客として私たちは、目新しいことを実施することから始まり、それを認識し、そして今ではそれを熟知するようになりました。特許が20年後に満了してからは、他のメーカーが同様のものを製造するようになり、ZEISSのGemini技術のリーダーシップが更に示されることでしょう。電子カラムのメリットに加えて、ZEISS GeminiSEMは、試料のチャンバーが大きく、フランジインターフェイスの数も比較的多いため、その後の機能の拡張や展開の多くの可能性を顧客に提供します。ZEISS GeminiSEM 500にEDSやEBSD等のサードパーティーのアクセサリを電子顕微鏡にフレキシブルに取り付けることができるだけでなく、電子顕微鏡で使用することもできます。これに基づくと、in situ機械工やEBSDを使用したin situ実験が安全に実施しやすくできるように、in situストレッチングや加熱台等の拡張機器も開発されるはずです。

ZEISSのサービスについて提案があれば教えてください?
ZEISSには、数多くの最先端の科学研究機器があり、中国では長年大変良い結果を達成しています。これは、顧客の科学的な問題解決を支援することを重視するZEISSの出発点と切り離すこととはできません。ZEISSには優れたコアテクノロジー、信頼できるクオリティの機器、そして良質なテクニカルサービスがあります。私たちは、ZEISSのGeminiSEM 500を設置して6年以上になりますが、動作はとても安定しています。

  • PCBボードと太陽電池パネルの横断面

  • 二次電池陽極

  • ナノプローブとEBIC

Dr. Keyongsu Jeon

Senior Researcher Daegu Technopark, Technical Infrastructure Support Division Nanotechnology Processing Center, Korea

現在どのような研究をされていますか?そしてイメージングについて、どのような課題に直面していましたか?
ご存じと思いますが、Daegu Technoparkは、地域の企業の技術革新と開発のための企業支援の研究所で、試作品の製造、新製品の立ち上げ、研究開発、電子顕微鏡による欠陥解析を提供しています。

私たちは、通常、産業界と学界の両方の多様なお客様からの依頼で、ナノマテリアル/コンポーネント、セラミック、金属、高分子化合物、バイオまたは半導体等の様々な種類のサンプルを取り扱っています。このため、よく知らないサンプルの場合、イメージングまたは測定方法や作製作業において困難がありました。

ZEISS GeminiSEMカラムは、このような難題の解決にどのように役立ちましたか?
解決しずらい最も大きな問題は、よく知らないサンプルの作製に遭遇した時に起こります。サンプルの作製には様々な方法があります。例えば、私たちは、かつて表面の観察のためによくサンプルを切削してました。この切削による摩擦でサンプルが擦り切れるため、サンプルの作製は重要となります。イメージング自体はほんの30分しかかからないのに、サンプルの作製に半日かかったこともありました。

Geminiカラムは、低加速電圧ですばらしい結果を示すため、コーティングしていないサンプルまたはポリマーなどで大いに役立ってます。特に、電気自動車用に使用する永久磁石に関連する企業の場合、Geminiカラムを使用する前は、イメージングの前に消磁する必要がありましたが、今ではシステムによりこの準備手順がなくなりました。BSEとInlens検出器の性能は他のシステムよりも優れているため、金属サンプルを測定する場合はいつもGeminiカラムを使用しています。

ZEISS GeminiSEMカラムをどのように使用されていますか?
当センターのGeminiカラムによる最大の進歩は、プローブの使用に関するものです。半導体のサンプルは注目を集めていますが、半導体ウエハーは伝導率が低く、接触点が小さいことから探すのが難しいため、イメージングが簡単ではありませんでした。

以前は手作業で抵抗値を測定していましたが、振動のために誤差が生じ、サンプルが小さくなるにつれてますます困難になりました。そこで、コーティングされていないサンプルをベースにしてプローブを使い始めました。当初は帯電によるトラブルもありましたが、やがてZEISS GeminiSEMカラムの低電圧性能が、私たちの研究を大いにサポートしてくれるようになりました。これにより、プローブをサンプルに接触させて電圧をかけ半導体回路に電気を流すことで、表面や内部の様子を画像化することができるようになりました。

ZEISS GeminiSEMカラムによって、どのような結果が得られましたか?
抵抗膜方式から容量方式のタッチパネルスクリーンへの変換時、ITO(インジウムスズ酸化物)は最も大きな難題でした。私たちは、実験をいくつか実施しましたが、同じ条件下でも抵抗に相違が認められました。ZEISS Geminiカラムを使用するまでは、粒径を確認するだけの機能しかなく、BSEの加熱プロセスにより結晶が変化し、優れたイメージングは困難でした。しかし、ついにZEISS GeminiSEMのInlens検出器による低加速電圧イメージングにより、ITOの結晶の実像を取得することができました。

そして、二次電池陽極材料の研究をしていた時、横断面画像から、BSEにより結晶粒の構造と元素分布を確認できました。お客様は私たちの結果に大変満足し、応用分野の範囲が原材料/仕上材から欠陥解析に拡大しました。ほとんどは、セラミック、金属(結晶、合成物等)、欠陥解析(異物識別)で、BSEによりコントラストを容易に見ることができます。

今Geminiカラムを検討されている方がいたら、何を教えますか?
私の経験では、Geminiカラムは、低加速電圧でもBSE検出器で磁性試料において、優れたパフォーマンスを示しています。主要となるサンプル次第で様々なニーズがあるかもしれませんが、幅広いアプリケーションで優れたコントラストと高分解能の画像により、希望する結果を得ることができると思います。特にBSEで、ZEISS GeminiSEMは、他のシステムよりもより鮮明で明確な画像を作成します。

  • 3Dプリンティングの医療用素材の引っ張り実験および分析

  • 3Dプリンティングの医療用素材の引っ張り実験および分析

Dr. Jae Kim

Senior Researcher Ulsan Technopark, Fine Chemical & Material Technology Support Division, Korea

現在どのような研究をされていますか?そしてイメージングについて、どのような課題に直面していましたか?
3D Printing Quality Evaluation Centerでの主な職務は、材料とアウトプットの3D関連研究開発、解析および評価、中小企業向けのテクニカルサポートです。ZEISS GeminiSEMを使用する前は、試料を高解像度で観察するために高電圧を印加して画像化する必要があり、高分子試料の表面に焦げなどのダメージを与えていました。さらに、多孔質材またはセラミックのような非導電性材料の場合、表面の帯電の問題が起こるため、良質な画像の取得は困難でした。

ZEISS GeminiSEMカラムは、このような難題の解決にどのように役立ちましたか?
帯電の影響を減らすため、以前はサンプルにコーティングを施していました。非導電性の多孔質セラミックスを観察するさいには、その準備に15分以上かかりました。この方法は表面解析にしか使えず、構造分析に使用することができません。最近では、複雑な構造の非導電性試料を観察するケースが増え、より深刻な帯電の問題が発生しています。しかし、Geminiカラムは低加速電圧で高分解能な観察が可能であるため、電子線に敏感な試料の観察が容易になり、磁性試料の分析では特に役立っています。

ZEISS GeminiSEMカラムをどのように使用されていますか?
私は、3Dプリンティング関連の高分子材料、金属粉末または合成物を撮像するために使用します。STS316L、17-4PHまたはインコネル718等のような金属粉末の場合、私はZEISS GeminiSEMで、粉末形態、球形、粒径分布、密度、フローチャートを解析することができました。これは、アモルファスまたはフェライト、自動車/医療/軍用部品、携帯電話のような電子機器等の磁気コアの研究開発の役に立ちました。
私は、PE、PS、TPU、熱可塑性ポリウレタンのような医療用材料を用いて、機械的/熱的特性評価と密度解析を実施しました。歯科補綴、整形外科、耐熱性高伸度パーツの製造は解析により恩恵を受けました。体系化されていないPCの骨組みまたはプレス加工された金型に使用される家庭用/産業用複合材料や生産物の場合は、添加剤分析、異種物質粘着力分析、熱的安定性および衝撃強度分析を実施しました。

ZEISS GeminiSEMカラムによって、どのような結果が得られましたか?
Geminiカラムは、長繊維糸と基材間の境界面の観察を可能にし、複合材料による生産物の状態の最適化の研究に大きく貢献しています。球状粉末による3Dプリンティングのプロセスでは、必ず白抜けが現れ、炭素繊維でそれらを埋めようとしました。異種物質間の隙間の程度を知るか、ナイフでそれらを割って/切って、断面を観察する必要がありました。現在のところ、低加速電圧でのGeminiカラムの機能が大いに役に立っています。

また、噴霧により生じた粉末の表面の欠陥のイメージングに関して言えば、Geminiカラムは大変役に立ちます。3Dプリンティングで失敗しないためには、粉末は最も安定した球状である必要があります。ZEISS GeminiSEMは、以前使用していた赤外線回折法と比べて、より正確な粒子分布と粒径を示します。また、ZEISS GeminiSEMの画像を処理するために、画像解析プログラムのConfomapも使用していました。

今ZEISS GeminiSEMカラムを検討されている方がいたら、何を伝えますか?
Geminiカラムをお薦めする理由は2つあります。
一つ目は、多くの用途に使えることです。Geminiカラムは、様々な材料をイメージングすることが可能で、これによりGeminiカラムを多様な研究や解析にいろいろ適応できるようになります。二つ目は、高品質な画像を他のシステムより速く取得することができ、研究の効率が上がることです!

  • 電子チャネリングコントラストイメージングによる、(0001) GaNエピ層の貫通転位を示しています。少数の転移の線の方向が、直接貫通しているのではなく、エピ層の表面に傾いているかほぼ平行になっています。(スケールバー:200 nm)

  • エピ層の上にある電着Cu2Oピラミッドのインレンズの二次電子画像(SEI)で、Cuナノ粒子がピラミッドとエピ層の両方の表面に分布しているのがわかります。画像の左上に挿入された高倍率のインレンズSEIにより、10 nm以下の濃いくぼみがCu2Oの表面にあるのが観察できます。

  • 電着によりCu(100)基質上で成長したNi(100)エピ層のインレンズの二次電子画像。斜交平行線は二つの<110>の方向に沿っている。(スケールバー:500 nm)

Dr. Liuwen Chang

Professor, Department of Materials and Optoelectronic Science, National Sun Yat-sen University, Taiwan

私は、国立清華大学を1983年に卒業し、1985年にNSYSU(国立中山大学)から材料科学の修士号を取得し、1993年にミシガン州立大学から材料科学の博士号を取得しました。私は研究の早い段階で、主に透過電子顕微鏡を使用して金属と半導体の微細構造の特性を評価していました。1996年はChina Steel Corporationで働いており、その時、NSYSUのPo-We Kao教授とChih-Pu Chang教授が 、初めてEBSDシステム2基を同時に台湾に導入しました。それ以降、EBSDやCL等の走査電子顕微鏡に基づく特性評価技術は、私の研究において、ますます重要な役割を果たしています。

現在どのような研究をされていますか?そしてイメージングについて、どのような難題に直面していましたか?
現在、私が研究で大いに興味深いと思っているものは、金属と化合物半導体のエレクトロエピタキシーです。基板を組み合わせる方法により、単結晶の代わりに多結晶の基板をエピタキシャル成長で用います。この場合、私は非破壊でエピ層の微細構造に関する情報を提供するために、EBSD、ECPおよびECCI等のSEMベースの技術に頼るところが大きいです。

ZEISS GeminiSEMカラムは、このような難題の解決にどのように役立ちましたか?
Geminiカラムは、低加速電圧で大変優れた分解能を実現するため、エピタキシャル膜の表面を詳細に調べたり観察したりすることができます。さらに、高エネルギーの大電流電子ビームで、電子チャネリングコントラストイメージングが可能となり、エピ層の欠陥を探索するための画像が容易に取得できます。

ZEISS GeminiSEMカラムをどのように使用されていますか?
Geminiカラムは、EDSおよびEBSD解析を実施するためだけでなく、高品質のインレンズ、SEおよびBSD画像を取得するためにも使用しました。

ZEISS GeminiSEMカラムによって、どのような結果が得られましたか?
Geminiカラムは、以下の問題を明確にするための高品質な画像の取得に役立っています:

1. 電着におけるNi、CoおよびZnのエピ層の成長モード

2. 電気化学析出におけるCu2OとZnOの初期の核生成機構とその後の成長モード

3. 電着で得られたナノ双晶のNi構造

4. 様々な半導体のエピ層の貫通転位

今ZEISS GeminiSEMカラムを検討されている方がいたら、何を教えますか?
Geminカラムを搭載したZEISS GeminiSEMは、使いやすい安定した機器で、様々な種類の画像を高分解能かつ高コントラストで提供します。しかしながら、ユーザーは、特性評価のために最も適切な観察条件を選択するために、それぞれのイメージングモードの良い点と悪い点を深く理解しなければなりません。

  • 複数検出器の威力:Fe-Nd-B磁石へ適用
    インレンズ二次電子検出器とE-T二次電子検出器により、磁気コントラストと表面形状コントラストが得られます。低加速電圧の反射電子検出器であるEsB検出器とEDS検出器により元素情報が得られます。EBSDを用いて結晶方位解析が可能です。

    (Copyright © JFE Techno-Research Corporation. All rights reserved.)​

  • イメージングスイートスポットでのX線微小部分析の実現:1 kVで観察した酸化グラフェン膜の二次電子像とCのEDSマッピング。薄膜試料からの特性X線は、従来型のEDS検出器では検出できませんが、ウィンドウレスEDS検出器により検出できます。

    (Copyright © JFE Techno-Research Corporation. All rights reserved.)

  • 木を見て森も見る:積層造形法により作製した316Lステンレス鋼に適用。エレクトロンチャネリングコントラストイメージ(ECCI)により、低い倍率(上)と中間の倍率(中)で、不均一なひずみ分布が認められます。転位セル構造が高い倍率(下)で確認できます。

    (Copyright © JFE Techno-Research Corporation. All rights reserved.)

Dr. Kaoru Sato

Research Fellow at JFE-TEC, Japan

現在どのような研究をされていますか?そしてイメージングについて、どのような課題に直面していましたか?
私は長年、鉄鋼を主な研究テーマとしてきました。現在、JFEテクノリサーチでは、触媒、電池、磁石、積層造形材を含む新合金など、あらゆる種類の先端材料を研究しています。材料特性の最適化には、微細構造を理解することが不可欠です。このため、私たちは、結晶粒径、結晶方位、小さい析出物のサイズと分布および組成の不均一性を理解する必要があります。多くの材料にとって、表面の構造は大変重要なので、走査電子顕微鏡(SEM)は、決定的な役割を果たしています。低加速電圧での観察は、材料最表面のイメージングに不可欠です。また、豊富な情報を取得するためには、エネルギー分散型X線分光法(EDS)や電子後方散乱回折法(EBSD)に加え、複数のイメージング検出器の実装が必要です。

ZEISS GeminiSEMカラムは、このような難題の解決にどのように役立ちましたか?
Geminiカラムは目からウロコでした。私たちは、2000年からZEISS GeminiSEMを使用しています。従来、SEMの開発は小さな電子プローブサイズを実現することを目指してきました。バルク材料の特性評価では、信号のアクセプタンス制御が重要です。これは、検出器の選択と加速電圧や作動距離(WD)等との実験条件によって最適化することができます。ZEISS GeminiSEMは、いわゆる「スイートスポットイメージング」を達成するために、高度に最適化されています。アクセプタンス制御、すなわち複数の検出器を用いた二次電子と反射電子の分離を極めて容易に実行できます。Geminiカラムは、1 kV以下から高加速電圧までの条件で複数の像検出器を同時に使用することができます。この柔軟さは、様々な材料の微細構造を評価する上で大きな強みとなります。ZEISS GeminiSEMは、まさにパラダイムシフトとなる装置です。

ZEISS GeminiSEMカラムをどのように使用されていますか?
ZEISS GeminiSEMでは、極低加速電圧でのイメージングが可能であるため、従来のSEMでは見ることができない画像を観察することができます。複数の検出器を使用した低加速電圧での観察は、材料設計に多くの知見を与えてくれます。また、ZEISS GeminiSEMは、透過電子顕微鏡(TEM)では観察することができない独自の画像を提供します。

実際に使用されている「現実世界」の材料の特性評価には、微小部分析も不可欠です。現在、私たちは、低加速電圧用に最適化されたEDS検出器を使用しています。これにより、スイートスポットイメージングと同じ実験条件で、高い空間分解能のX線分析が実現します。EBSDを用いた方位マッピングも重要です。Geminiカラムは、最適化されたカラム設計により、これらすべての機能を妥協することなく実施することができます。

ZEISS GeminiSEMカラムによって、どのような結果が得られましたか?
Geminiカラムを使用して成功した例は数多くあります。例えば、耐熱合金の場合、二次電子と反射電子の画像コントラストだけで簡単に様々な種類の炭化物を識別することができます。炭化物の種類の確認は、オックスフォード・インストゥルメンツ社のウィンドウレス型EDS検出器(Ultim® Extreme)を用いることにより、低加速電圧イメージングと同じ条件で可能となりました。

磁石の微細組織解析では、様々な検出器を用いることで、表面形態、磁気、組成および結晶方位の情報が得られました。Geminiカラムは、アクセプタンス制御を最適化することにより、非常にユニークな情報を提供します。同心円状反射電子検出器により、作動距離を変更することなく、原子番号コントラストとチャネリングコントラストを同時に取得することができます。エレクトロンチャネリングコントラストイメージング(ECCI)は、EBSDの相補的な利用により、バルク試料を対象に広い視野で、ひずみの分布情報を与えます。

今ZEISS GeminiSEMカラムを検討されている方がいたら、何を伝えますか?
ZEISS GeminiSEMは高性能で汎用的なSEMです。しかし、二次電子と反射電子の発生と、それらが複数の検出器によりどのように収集されるかを理解する必要があります。ZEISS GeminiSEMは「全自動」タイプの装置ではありません。試料に応じて様々な実験条件を設定し、アクセプタンス制御を最適化しなければなりません。しかし、ZEISS GeminiSEMは使用するのが難しい装置というわけではなく、ユーザーからの難しい要求や要望にも容易に対処することができる装置です。スイート・スポットイメージングの実現は大きな喜びを与えてくれます。「シンプルさ」こそがGeminiカラムの持つ美しさです。

  • AZ5214-Eレジストのスパッタを用いた2μmのコンフォーマルコーティング

  • 低EHTでイメージング

  • 低EHTでイメージング

  • 低EHTでイメージング

  • VLS法により成長させたSiNW

Dr. Savitha Purakkat

National Nanofabrication Centre, Centre for Nanoscience and Engineering, Indian Institute of Science

現在どのような研究をされていますか?そしてイメージングについて、どのような難題に直面していましたか?
私は現在、50 nm以下のAl2O3等の誘電体膜のイメージングの研究をしています。

ZEISS GeminiSEMカラムは、このような難題の解決にどのように役立ちましたか?
Geminiカラムは、コントラストと非点収差のコントロールが非常に正確で、良い精度で50 nm以下の誘電体の試料の特性をイメージングするのに役立っています。さらに、Geminiカラムのビームブランカーにより、観察中の試料に対して不要な暴露を防ぐことができます。

ZEISS GeminiSEMカラムをどのように使用されていますか?
私は現在、低加速電圧イメージングの際に使用しています。

ZEISS GeminiSEMカラムによって、どのような結果が得られましたか?
Geminiカラムにより、より鮮明でクリアな画像を取得でき、模様のあるサンプルをより効果的に観察することができます。Geminiカラムで、高加速電圧と低加速電圧の両方で取得した断面画像はクリアで、実施した過程のより良い画像を取得できます。

今ZEISS GeminiSEMカラムを検討されている方がいたら、何を伝えますか?
Geminiカラムは、分類が曖昧な画像を良い精度で取得できるため、私はGeminiカラムをお薦めします。

  • (a) ZnOナノフレーク、(b) 合成されたZnOの純度を示すマップされたEDSスペクトル、(c) 還元型酸化グラフェン– テトラジン化合物 (PhPTz) 合成物、 (d) Mo2Cナノフレーク

Dr. Ruma Ghosh

Assistant Professor, E&ECE Department, IIT Dharwad, India

現在どのような研究をされていますか?そしてイメージングについて、どのような難題に直面していましたか?
ZEISS GeminiSEM 300のユーザーは、ナノマテリアル、薄膜、金属およびセラミック複合体、微生物細胞などに関連する研究に従事しています。私たちの研究所では、サンプルの形態、表面組成や次元解析を定期的に実施する必要があります。

ZEISS GeminiSEMカラムは、このような難題の解決にどのように役立ちましたか?
私たちは、ZEISS GeminiSEMカラムに大規模に搭載されている二次電子のイメージングとエネルギー分散分光法(EDS)を使用しています。さらに、ナノマテリアルの表面の組成分析の場合、ZEISSから提供された反射電子検出器(BSD)も時々使用しています。

ZEISS GeminiSEMカラムをどのように使用されていますか?
私の研究グループは、異なるナノ構造を用いて様々な種類のセンサーの開発に取り組んでいます。それで、サンプルの形態的構成や元素組成の研究の際は、ZEISS GeminiSEM 300を使用しています。さらに、私たちは、グラフェンナノシート上で抗体の正確かつ部位特異的な結合を必要とする免疫センサーを開発しており、同一のものを突き止めるためにZEISS GeminiSEMを使用しています。

ZEISS GeminiSEMカラムによって、どのような結果が得られましたか?
私たちは、Geminiカラムにより高品質の二次電子画像とEDSスペクトルを達成できています。

今ZEISS GeminiSEMカラムを検討されている方がいたら、何を伝えますか?
ZEISS GeminiSEMカラムは、現在の最先端システムである電界放出型走査電子顕微鏡(FE-SEM)の一つです。エネルギー電子ビームがサンプルと相互作用すると、様々な種類の信号が出ます。Geminiカラムと検出器が使用できれば、サンプルについて様々な種類の情報を取得することができます。ZEISSのシステムには多くの検出器ポートがあるため、問題解決に関しては柔軟性に優れています。また、テクニカルチームとサービスチームは大変協力的で、迅速に問題を解決し、支援してくれます。

Dr. Satyam Suwas

Professor & Chair, Department of Materials Engineering, IISC, Bangalore

現在どのような研究をされていますか?そしてイメージングについて、どのような難題に直面していましたか?
私たちは、現在、金属や合金の変形したものやアニール処理したものの微細構造の研究に取り組んでいます。基本的には、新規または従来の合金を使用することが必要で、ともに様々な形にするために変形加工を実施しなければなりません。これからのすべての取り組みについては、顕微鏡により金属の構造を観察しなければならないので、ZEISSの支援が極めて重要となります。顕微鏡は優れていればいるほど長持ちし、このことが私の研究の役に立つでしょう。すべての微細構造の製品においては、ZEISSと長期にわたって付き合っていきたいと思っています。私は、古いバージョンの顕微鏡には詳しかったのですが、最新のバージョンがこのバーチャルプラットフォームにより導入された時には、ZEISSの皆さんに本当に助けられました。

私たちの研究は、長時間にわたりビームの安定性を要する、サンプルの長期の暴露やスキャニングを必要とするので、堅牢な顕微鏡であるZEISSの顕微鏡を使用しています。私の個人的な経験では、ZEISSの顕微鏡がこの実験には一番向いていると思います。さらに、大変すばらしいサービスも重要です。定期的あるいは長期予定の実験の際は支援装置が調達されます。そのため、これは途切れることなく実施されなければなりません。これはテクニカルスタッフからの顕微鏡に対する支援があるからこそ実現することができるのです。

ZEISS GeminiSEMカラムをどのように使用されていますか?
私は、IISC Bangaloreの材料工学部門でSatyam Suwas教授と一緒に働いているSoumita Mondalといいます。私は、主に立体物の重度の塑性変形の研究に重点的に取り組んでいます。私はこの変形を主に高圧ねじりによって形成しています。ZEISSの機器により私の研究で達成したことの一つに、研究のペースがかなり速くなったことが挙げられます。私の扱っている材料は、大部分がナノ結晶構造であるため、以前は集束イオンビームミリングまたは薄いアルミホイル上にサンプルをのせることによりTEM用試料を作成しなければならず、両方とも大変時間のかかるものでした。しかし、ZEISS GeminiSEMのシステムにより、後方散乱電子回折モードにおいて、非常に高い分解能まで向上することができます。

SEMにより実現したことで大変良かったことは、現在では私の研究が、より迅速に進んでいることです。

私は、Indian Institute of Science, Bangaloreの材料工学部門でSatyam Suwas教授の下で働いている博士号3年生のTejnath Reddyといいます。私の研究は3D微細構造に関与しているため、シリアルセクショニングの後に多くのEBSDスキャンを実施する必要があります。かつては別の顕微鏡でEBSDスキャンを実施していましたが、撮影の速度とEBSDスキャンにかかる時間が膨大で、大面積でストリップサイズがより小さい大量のスキャンを実施するには、実用的ではありませんでした。

ZEISS GeminiSEMの顕微鏡は、より小さいストリップサイズでスキャンが早く、本当に大変役に立っています。もうひとつ付け加えたいのは、ZEISS GeminiSEMの多機能性で、EBSDやそれに付随する電子チャンネリングコントラストのイメージングが可能です。

画像上の丸印をクリックして、詳細情報をご覧ください。

Gemini光学系を支える技術

フィルターグリッド SEM用エネルギーフィルター

グリッド電圧が検出用の二次電子または反射電子を選択することができます。

コンデンサ 電磁レンズ

このレンズは、最適化された開き角によりビーム電流とスポットサイズを決めます。

インレンズEsB検出器 エネルギー選択式反射電子検出器

EsB検出器は、最低加速電圧でも高い材料コントラストが可能で、フィルターグリッドにより、エネルギーに応じて反射電子の識別ができます。

ビームブースター インカラムビーム減速

ビームブースターは、一体型ビーム減速装置で、小さなプローブサイズと高いSN比を保証します。ブースターは、収差の抑制と外部磁場からの保護により、カラムを通過するビームをブーストし、ポールピースでビームを減速させることで、低加速電圧で最高の画質を実現します。

FE-gun 電子源

小スポットサイズ用の熱電界放出型電子銃

インレンズSE検出器 高効率インカラム検出

二次電子は試料表面から収集され、極めて高い分解能、表面感度及び独自なコントラストを実現します。

Geminiの対物レンズ 電子プローブフォーミングレンズ

対物レンズがプローブの焦点をサンプルに合わせます。

磁界レンズ 電子レンズ(ポールピースとコイルを含む)

静電レンズ(Geminiの対物レンズ)と共に、電子が集束され、極めて高い分解能を実現します。

サンプル ホルダーの上に取り付けたサンプル

ナノ粒子から大型機械のパーツまで、ほんの少しのサンプル調製でSEMでの観察が可能です。

静電レンズ 電子レンズ

磁界レンズ(Geminiの対物レンズ)と共に、電子が集束され、極めて高い分解能を実現します。

スキャンコイル サンプル上でビームを走査する(「ラスター」の原理)

電子ビームを走査し、信号検出を同期させ、画像を形成します。

ZEISS GeminiSEM についてより担当者より詳しくご紹介します。

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